イベント結果の報告3

門脇教育長講演の概要


 私は地元では憎まれているんじゃないかと思っている。

 昨年、つくば市教育長に赴任してすぐこの問題に向き合うことになった。1人の子どもを育てるのに村が1つ必要で、子どもを育てるのに様々な大人が関わることが必要だと思っている。



 5月に奈良市で行われた全国都市教育長協議会に出席した時に、秀峰筑波を良い学校にするために似たような事例を参考にしようと思い、文科省の学校統廃合の担当者に「来年度に2つの中学校と、7つの小学校を統廃合して1つの学校にすることが決まっています。このような規模の統廃合を他の市町村でやったことがありますか?文科省は承知していますか?」ということを質問したところ、文科省の職員はぎょっとした顔で「そういったことは知りません。承知していません」と言っていました。その後、その文科省のお役人さんが関連する資料があるので送ってくれた。

 文科省が全国で調査、小学校では2つの学校を1つにしたのが67%。3つを1つに19%。合わせると86%になる。ほとんどが2校ないしは3校を1つにする。中学校について言えば、2校を1校にするのが79%。3校を1校にするのが12%。学校統廃合の8割、9割が2校ないし3校を1校にするものになっている。

 京丹波市では平成22年の議会で小中学校40校を統廃合するのが決まり、現在25校になっている。地元住民の合意を得るために平成23年度だけで134回の話し合いをしている。24年度には163回、28年度までの6年間で536回の話し合いをしてきた。一方、この地区の2つの中学校、7つの小学校の統廃合では連絡協議会や、地域の説明会など記録を辿ってみると、第一回の平成24年1月からはじまり、平成28年度の10月までで合計36回。これだけの統合をするのに36回。京丹後市では2,3日に一回のペースで話し合いを重ねながら統廃合をしている。

 文科省の役人に「これだけの統廃合をどうやったらできるのか後で教えてください」と言われた。



 開校を30年に延ばした時には散々に言われた。誰かが憎まれ口を言われながらも言わなければいけない。ここまで来た以上、収容施設とも言えるこの学校をどうにか良い学校にしなければならない。これ以上さまざまな問題を先延ばしできない。

 1100人全員を朝、授業が始まる前に学校に集めることは並大抵のことではない。特別支援学級に通うことになる子どもが49人いる。そういう子どもを含め、心も体も健康に学校に通わせなければいけない。

 仮に1100人全員をスクールバスを使って学校に通わせると試算した。最初は三年間で1億9000万かかると言われていたので年間6300万円くらいだと思っていた。しかし、最近になってそれは紫峰学園だけの経費で、百合ヶ丘はもっと距離が長くなるので高くなり、総額で2億4000万円という試算になっています。もはやどれだけのお金がかかっても子どもたちを安心安全に通学させるためにはやるしかないと教育局では思っている。



 これまでと同じPTA組織では学校を支えきれないと思っている。これまで子どもたちは自分の足で学校まで歩いていくことができ、地元住民はそれに何らかの形で協力することができた。新しい学校になった場合にこれまでのように自分たちの地域の学校として気軽に学校に行って協力することができるのか?そんな簡単な話ではないだろうと思う。

 保護者だけでなく地域の住民が一丸となって新しい学校をいい学校にするんだという合意を得ることが極めて重要になってくると思う。

 高知県南国市がPTCA(P=保護者/Parent T=先生/TeacherにC=地域住民/Communityを足したA=団体/Association)という組織を作っている。

 これを1つのアイデアに、「CTCPA」(C=地域住民/Community T=先生/Teacher C=子ども/Child P=保護者/Parent A=団体/Association)という組織はどうだろうかということを考えている。地域の大人たちが、先生や保護者を助けながら、子どもを育てていく組織を考えていかなければいけないのではないか?具体的な形を考えることも簡単なことではないが、だからといってやらなくていいというもんではない。



 まる環の会というのはとんでもない会だという人も多い。だから1500枚もチラシを配ってこれだけしか集まっていないんじゃないか。まる環の会というのはなんだかわからない文句ばっかり言っているというようないろんな悪口を聞く。しかし、そんな状況じゃないでしょうということを言いたい。誰がどんな提案をしようといい学校にしようじゃないか。どこの誰が言ったとしても、いい学校にしようと地元の人たちがあれやれ!これやれ!と1000人くらい集まって言われると期待していた。

 正直に言って、先生に任せればいい、教育局に任せればいいということではやれないと思っている。知恵を出し合って実現することをしなかったらいい学校になりませんということをお願いしたい。とにかく地元の人に学校づくりに協力してもらいたい。


筑波まる環の会

筑波地区に起きているいろいろな 出来事について 話し合う場 筑波山の自然を生かした街づくり、郷土の伝統、文化を 受け継ぎ「人間らしい住民参加のまちづくり」を目指します  子供の成長を見守る 地域の繋がりを維持発展させ、 子供たちが生き生き育っていく地域作りを目指します