なぜアンケートになかった開校方法になったのか?

3.なぜアンケートになかった開校方法になったのか?


 まず、アンケートA~D案の後に甲乙案が出てきたことについてですが、

🔸紫峰学園のアンケート分析から、A~C案の新校舎へ移行したい児童生徒の希望が合計で51.7%あり、D案の37%を上回っていることから、9月に新校舎へ移行する点と、

🔸同じくアンケートから、二回引越しをすることのデメリットが大きいこと(小学生も混じった勉強環境の変化と、二度の引越しが受験に影響する不安があること、環境の変化にうまく適応できない子どもが少なからずいたこと、一年に二回学校が変わることによる精神的な負担と慌ただしさ)

これらを考慮すると引っ越しは1回であることが望ましい点から一番多くの希望をくみ取った案として提示されました。

 しかし、甲乙案は、前例がない、もしくは国が定める学校の制度から外れるため(年度途中で学校が無くなり出来ること)教員の配置が出来ないことから実現が不可能ということがわかりました。


 そこでアンケートA~D案の希望に少しでも答えられる案として、丙案が提案されました。

丙案のメリットは

🔸引っ越しが一回であること、

🔸一年間現在の学校で勉強できることで多くの先生から手厚い教育が受けられること(統合される前と後とでは、環境が変わります。1クラスの人数は現在の少人数から劇的に増えますが、教員数は全体で16名減少することとなります。)

🔸新校舎での勉強を望む東中の生徒が過ごすことが出来る(小学生は後にはなっても、施設の利用は可能だが、新9年生は、このタイミングで新校舎に移動しないと、新校舎の利用ができなくなる。)

🔸現時点で未確定な課題、PTA組織をどうするか?長距離通学に伴う安全性の確保(通学路が現在と変わるが安全確認や整備など)の解決に時間を取ることが出来る。

🔸統合化に伴う教員配置の混乱に時間をかけて準備することができる。

点があげられます。


 また、連絡協議会で、29年度に紫峰学園が開校すると想定していたとき、百合丘学園と統合されるまでの1年間、新校舎で紫峰、百合丘2学園間の交流事業を新校舎で行えるとしていました。  

 東中が新校舎に移動することで、新校舎を紫峰学園の小学生、百合丘学園の児童生徒が、交流事業で使用することが可能になると考えられます。(東中が移動しなければ、新校舎にはその施設を管理する”学校”組織が存在しなくなるため、校舎を利用することは不可能になってしまいます) 


🔴保護者が気になる点として校舎の耐震ついてがあると思います。

 耐震指標とは地震力に対する建物の強度、靱性を考慮し、建築物の階ごとに算出されたもので、Is値で表され、Is値が0.6以上であれば地震による建物への被害が少ないことから基準とされています。

※詳しくはこちらの記事をお読みください

 紫峰学園の学校ではIs値が0.5や0.4あり、大きな地震で倒壊する危険性は少ないと判断されました。


 ちなみにつくば市にある小学校で、建設された時期と工法、階数が紫峰学園と同じくらいの建物でIs値が0.34の学校がありますが東日本大震災で倒壊することはありませんでした。

 また二階建てですがIs値0.22の学校も震災後に耐震工事が行われていますが倒壊したという話はありません。

 そもそも、つくば市は2010年の時点で学校耐震化率が茨城県内で26位と取り組みが遅く、学校統廃合もあるため筑波地区の学校はIs値が低く倒壊の可能性のある建物だけが耐震工事がされています。

 例外的に作岡小の体育館だけが0.22と倒壊の可能性が高いまま残されていて、今回の総合教育会議でも五十嵐市長が指摘し問題になりました。その問題についてこれまでの教育委員会で取り上げることもなかったということで、改善してこなかったことに問題があります。

 学校施設は災害時の避難場所や拠点になるところですので、災害への備えの面からも、今後さらなる検討が必要なものだと考えます。



🔴教員の人数について

 4小学校が1校になると、教員は34名から18名になるそうです。その他に東中学校の教員もいますが、紫峰学園の学区の広さに対し、教員の数が大幅に減り、さらに学校から各地域までの距離が長くなります。

 そうなると地域で起きる事故や危険に対して目が届きにくく、また、イレギュラーなことが起きた際の対応も現在のようにできるものではなくなると想定されます。


 また、通学経路の安全性の確保も必要になります。スクールバスのバス停が民家から100m以上離れる場所もありますが、子供たちが待機する場所も、バス停として整備された安全なスペースがある訳ではなく、急な天候の悪化や体調不良への対応、通勤の車からの安全性確保も必要となります。なかには通学路になる箇所でイノシシが頻繁に出没するような場所もあります。

 他にも家庭環境によっては(子どもたちの通学通園方法がバラバラで異なる場合)スクールバスを利用することで逆に、通学自体が困難になってしまうような地域もありますが、十分な考察、検討、準備がなされているとは言えない状況です。

 統合することで1クラスの人数も多くなりますが、教員の人数は減り現在よりも目が届きにくくなります。

 30年に9校が1校になると1200人規模の学校になり、それだけの子どもを一ヵ所に集めて教育することに伴って生じると予期できる弊害や事故、子どもたちへの負担を最小限に止めることを考えると十分な準備と対応を考える必要があります。


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筑波まる環の会

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