新しい学校、コミュニティ・スクールとは?

まる環の会では行政へ要望を出すだけではなく、地域の問題を解決するために会員で情報共有しながら勉強もしています。


30年度に開校する秀峰筑波義務教育学校は、これまでの学校とは違い施設一体型の小中一貫校になります。それに伴い、「義務教育学校」という分類の学校になるのですが、「義務教育学校」とは一体なんだ?という疑問があると思います。そこで、より良い学校とするために様々な資料を参考に、「義務教育学校」という新しい学校のかたちについてお伝えしたいと思います。


単純に「義務教育学校」を説明すれば、小中一貫校のことです。義務教育期間の9年間を一貫しておこなうことです。つくば市の公立の小中学校はすでに施設分離型の「義務教育学校」とも言えます。

ほかにも細かなことはありますが、大きな点として「コミュニティ・スクール」になるということです。「義務教育学校」=「コミュニティ・スクール」ではありませんが、「義務教育学校」という新しい学校の制度を導入するにあたり文部科学省より出された「小中一貫教育制度の導入に係る学校教育法等の一部を改正する法律について(通知)」に

義務教育学校の設置の在り方1)地域とともにある学校づくりの観点から,小中一貫教育の導入に当たっては,学校関係者・保護者・地域住民との間において,新たな学校作りに関する方向性や方針を共有し,理解と協力を得ながら進めて行くことが重要であること。

1)コミュニティ・スクールの推進 義務教育9年間の学びを地域ぐるみで支える仕組みとして,学校運営に地域住民や保護者等が参画するコミュニティ・スクールは有効であり,子供たちの豊かな学びと成長を実現できるよう,小中一貫教育も含め,コミュニティ・スクールの推進が期待されること。

などと書かれているように文部科学省は「義務教育学校」の設置と「コミュニティ・スクール」の導入を同時に求めていることがわかります。(詳しくはこちらの記事を参考に)

秀峰筑波でもすでにつくば市がコミュニティ・スクールにすることが公表されています。


では「コミュニティ・スクール」とは一体なんなのでしょうか?

文部科学省のコミュニティ・スクールについてのホームページでは

コミュニティ・スクールは、学校と保護者や地域の皆さんがともに知恵を出し合い、学校運営に意見を反映させることで、一緒に協働しながら子供たちの豊かな成長を支え「地域とともにある学校づくり」を進める法律(地教行法第47条の6)に基づいた仕組みです。


保護者や地域住民などから構成される「学校運営協議会」が設けられ、学校運営の基本方針を承認したり、教育活動などについて意見を述べるといった取組がおこなわれます。 学校運営協議会の主な役割として、
○ 校長が作成する学校運営の基本方針を承認する ○ 学校運営に関する意見を教育委員会又は校長に述べることができる ○ 教職員の任用に関して、教育委員会規則に定める事項について、教育委員会に意見が述べることができる の三つがあります。これらを通じて、保護者や地域の皆さんの意見を学校運営に反映させることができ、自分たちの力で学校をより良いものにしていこうとする当事者意識が高まり、継続的・持続的に「地域とともにある、特色ある学校づくり」を進めることができます。 コミュニティ・スクールは、「地域とともにある学校づくり」を進めるための有効なツールです。


つまりコミュニティ・スクールとは保護者や地域住民などで「学校運営協議会」を作り、学校や子どもたちの教育環境をより良いものにし、地域活性化を進めるための仕組みと考えられます。

しかし、茨城県はコミュニティ・スクールの普及が全国で一番少ない部類に入り、2004年に始まったコミュニティ・スクール制度に指定されている学校は平成28年4月時点で、全国2806校の内、茨城県は3校です。


文部科学省のコミュニティ・スクール事例集をみてみるとそれぞれの地域に合わせた学校運営協議会や活動を見ることができます(独特の資料の作り方のためやや見にくいです)。


なんだか難しそうだなと思われるかもしれませんが、コミュニティ・スクールの大きな魅力は、学校運営協議会の下部組織に作られる「学校支援地域本部」ではないかと思います。

※厳密には学校運営協議会が必ず学校支援地域本部を伴っているわけではありません。

「学校支援地域本部」とは地域住民や保護者、地域で活動する団体などによるボランティア活動で、地域で子育てをする組織です。


魅力的な取り組みを二つほど紹介させていただきます。

まず、那覇市立銘苅(めかる)小学校についての記事です。

この小学校では従来のPTAに地域住民(C=コミュニティ)が参加しPTCAという組織があり、それが「学校支援地域本部」のような役割をしています。そして「子育て応援部」や「学力向上応援部」、開放施設を管理運営する「施設運営部」や活動の資金集めも兼ねた地域ボーリング大会などの企画運営を行う「文化・スポーツ部」など、9つの特長ある専門部を設けているそうです。その他に学社融合部では、新聞社ほかの地域の事業所への見学会や新都心クリーンデーなどの地域活動への参画の推進、学校支援ボランティアの募集などの学社融合教育に関する事業を推進しているそうです。


次は、周防大島町東和中学校のホームページです。

東和中学校のホームページを見てみると学校運営協議会や学校支援地域本部がどのような活動をしているのか具体的にイメージ出来ると思います。

地域の人達が得意とすることを出前授業のように体験学習をさせたり、次にどのようなイベントをするか話し合ったりと学校と地域が共にある様子がわかります。



まとめると

🔵義務教育学校(小中一貫校)≒  コミュニティ・スクール(地域の教育への参加・地域活性)

🔵コミュニティ・スクール=学校運営協議会を持つ(地域が学校運営に関わる)

🔵学校運営協議会の他に、学校支援地域本部を持つことがある。

🔵学校支援地域本部は、地域の住民や団体などが子どもたちに特別授業や課外学習を行ったり、学習支援をしたり、ボランティア活動をしたりと、地域が子どもや学校をサポートする。

大雑把に理解するとこのような感じになるのではないかと思います。

その他、コミュニティ・スクールに期待されることに「地域活性」があることは重要だと思います。


秀峰筑波の新しい学校のかたちがどのようなものになるのか(学校支援地域本部があるのかどうか)まだわかりませんが、子どもたちと地域にとって少しでも良い学校になってくれることを望みます。


筑波まる環の会

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