門脇教育長インタビュー

1月16日につくば市役所、教育長室で門脇厚司教育長のお話を聞かせていただきました。

 予定の時間を大幅に超え2時間弱、これから目指すつくば市の教育の姿、提唱されている社会力について、現在の教育の問題点となぜ社会力を必要と思われるのかなど話していただきました。

 門脇教育長の目指す教育や、社会力について先日の常陽新聞のインタビューがまとまっていてわかりやすいのでこちらを参考にしていただき、

お話の中から「今なぜ社会力が必要」とお考えなのかを門脇教育長の言葉からまとめてみたいと思います。

※私の文章力が不足していることを予めお詫びします。

 100人子どもがいればそれぞれの能力にデコボコがある。今、教育の機会を平等にすれば、能力に違いのある子も同じように競い合うように言われている。

 では、子どもたちにこれ以上ない、ベストな教育をした場合どういう結果になるのか?先天的に能力に恵まれた子はぐんと伸びるでしょう。その一方でハンディキャップを持った子どもたちはどれだけ頑張っても同じ能力にならない。むしろ差が開いていく。

 いい教育をすればどの子も同じ水準までいくというのは幻想でしかない。だから社会力が大切。人と人のいい関係を作ることで、能力に恵まれた子がハンディキャップのある子のために自分の能力を使うのが社会力を育てること。

 善き生の実現能力を育てるのがこれからの学校教育の狙いでなければいけない。

 教育の装置(学校)は産業社会で経済成長に役立つ人材を選んで育てることが核になっている。

 義務教育という現在の制度が始まったのは1870年。日本では義務教育と言っているが英語では「Compulsory education」といい、「compulsory」とは「強制」という意味。「義務教育」と言っているが実際には英語の意味するように「強制教育」のこと。

 では、なぜこのような制度を作ったのかと言えば産業社会をさらに発展させるために必要な人間を選別するため。

 教育社会学の共通する認識として、学校の機能は選別(selection)、配分(allocation)。そういう意味で高校受験のシステムなどはよくできてる。

 だから先生方には、子どもたちを(経済成長に役立つ人材として)選別しなければならないと、申し訳ないという気持ちがなければいけないということも伝えていかなければいけない。申し訳ないという気持ちがあれば子どもたちに対する接し方もかわる。もっと優しくなれる。そういう先生を目指してほしい。

 私は新制の第一回の入学生。昭和22年4月に一年生になった。

 鉛筆もノートもなかった時代だったが、それでも学校はすごく楽しかった。小学校6年生まで全然勉強しなかったが、それでも大学の先生くらいにはなれるということ。

 関りを持ったノーベル賞受賞者たちに「子どもの頃勉強したのか」と聞いても、網をもって山で蝶を取ったり、時計を分解したりしていたと言っている。

 しかし、興味を持ってやろうと思った時にぐんと伸びる。そういった後伸びする知恵を与えるのが本来の教育の姿だ。現在はそういう芽を早々と摘み取っている。

 教育日本一ではなく、教育世界一を目指したい。

 教育日本一は学力で日本一を目指していた。世界一を目指すというのは、学力ではなく新しい社会を作るためのトップランナーを育てる教育をするという気持ちでの世界一。

 世界の国々は最後に滅びる競争をしていると言っている人がいる。そういう滅びるのを一年でも先延ばしにする社会ではなく、お互いに恵みあいながら協同していく社会を目指すために社会力を育てたい。

実際には間に間にわかりやすい話を入れながら説得力のあるお話でした。

8月にまる環の会で市に提出した要望書について

「筋が通っていると思った。まる環の会というのは私が言ってる社会力そのものだなと思った」と評価していただきました。

筑波地区の学校統廃合後の学校について

「子どもファーストで考えたい。かつては地元が自分たちの学校という意識で学校を作り上げてきていた。イギリスでは学校評議員と言う形で、地域が、教員の採用やどういう授業をするのかというカリキュラムまで決めている。廃校となる学校も子どもたちの社会力を育てるために役立てるようにしたい」

その他にも、辞令を受けた翌日に紫峰学園のすべての学校を見て回った話や、あいさつ文も部下に下書きしてもらうのではなく全部自分で書いていること、自分の書いた本の感想を書いて送ってくれれば必ず自分でそれを読み、必要なら返事も書くとおっしゃっていたり(秀峰筑波の現在集計中の開校時期についての保護者アンケートも、全て自ら読むと断言されていました。)、現在つくば市の予算などについて勉強中と分厚い書類の束を見せてくれたりと、バイタリティー溢れる方だなと感じました。

筑波まる環の会

筑波地区に起きているいろいろな 出来事について 話し合う場 筑波山の自然を生かした街づくり、郷土の伝統、文化を 受け継ぎ「人間らしい住民参加のまちづくり」を目指します  子供の成長を見守る 地域の繋がりを維持発展させ、 子供たちが生き生き育っていく地域作りを目指します