学校耐震状況についての考察
今回の学校開校時期の問題でクローズアップされた各学校の耐震状況について、調べてみました。
最終案では紫峰学園、百合丘学園共にあと一年、それぞれ各旧校舎で過ごすことになりますが、アンケートの自由記述に耐震を不安に上げている方が少なからずいらっしゃいました。
簡単に耐震が大丈夫、大丈夫でないというのではなく、具体的にどの建物がどのくらい耐震性があるのかを調べてみました。
耐震指標はIs値で表されます。
🔸Is値0.6以上は、
”震度6強の地震の振動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性が低い”とされます。
🔸Is値、0.3~0.6は、
”震度6強の地震の振動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性がある” とされます。
🔸Is値、0.3以下は、
”震度6強の地震の振動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性が高い” とされます。
具体的に、それでは紫峰学園の各学校はどうでしょうか?
※参考
筑波小 校舎 0.66
体育館 0.42
田井小 校舎 0.49
体育館 耐震補強済
北条小 校舎 0.58
体育館 0.51
小田小 校舎 0.78
体育館 0.51(一部耐震補強済)
東中 校舎 耐震補強済
(技術棟は0.19のまま現存)
体育館 耐震補強済
北条小の校舎などは、ほぼ0.6に近い数値です。
耐震性の他にも地盤の揺れやすさも地震の被害に関係してきます。
揺れやすさマップでは二つの地震を想定しています(リンク先、マップ右上に説明)。
一つは茨城南部を震源とするマグニチュード7.3の地震で、つくば市全域で震度6弱ですが、筑波山麗では5弱となっています。
もう一つはどこでも起こりうる直下地震で、直下を震源とするマグニチュード6.9の地震です。つくば市では震度6弱~6強となっています。筑波地区では半分が震度6弱になっています。
筑波地区の地盤を国土地理院の地図をもとにもっと詳しく見てみると
上の画像は国土地理院の土地条件図に学校の位置を重ねたものです。
多くの学校が1万年以前に出来た台地にあることがわかります。
上の画像も国土地理院の明治期の低湿地の地図に、学校位置を重ねたものです。現在の学校は低湿地を避けるように設置されています。
以上のように現在の学校は古くからの集落の近くに設置され、比較的地盤のしっかりした場所に建てられていると見ることができるのではないかと思います。
建物の老朽化や、東日本大震災の影響なのもあり絶対安全というわけではありませんが、耐震がダメと漠然としたイメージで怖がるよりも、地震が起きた時に建物にどのくらいの被害があるのか想像してみることが大切かもしれません。
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